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新型コロナウイルス危機後のビジネストレンド: 勝ち組と負け組は?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生は世界中のあらゆる場所で衝撃的な状況となっています。当初は極限られた地域でのみ発生でしたが後にこのウイルスは非常に短期間に急速に広がりました。死者数は依然として速いペースで増加しています。準備が整っていない国では総感染者数が制御不能な増加に見舞われていますが監視計画と対策が整っている国ではこの病気の蔓延をある程度制御することができています。しかしながらその結果の1つとして経済不況への突入です。人々は用心深くなり、家に留まり、旅行や他人と会うことを避け、マスクを着用し、頻繁に手を洗い、消毒にアルコールジェルを使用しています。実際人々のライフスタイルは変化しその結果全体的な支出が減少し、前例のない規模で経済にダメージを与えています。

大小あらゆる規模の組織、研究機関、企業が、従業員の在宅勤務を許可することで予防措置に協力しています。政府は特定の企業の一時閉鎖を発表している一方、病気の蔓延リスクを軽減するために、ジム、ボクシング会場、映画館、レストラン、ショッピングモール、学校、大学などは閉鎖を決定しました。航空、電車、バスなどの公共交通機関は運休となっています。

新型コロナウイルス危機で衰退した業界
 新型コロナウイルス感染症危機のような状況が起こるとは誰も予想していませんでした。企業部門への主な影響は事業の停滞と消費者の購買力の低下です。新型コロナウイルス感染症による直接的な影響を受ける業界の明確なリストは以下のとおりです。

  • 航空業界  最も影響を受ける業界は航空業界です。例えばタイ国際航空は破産更生計画を申請しました。国際線の運航は原則として禁止されています。この困難な時期に海外旅行に行くことはできません。母国への帰国を希望する人は14日間の自主隔離が必要でした。客室乗務員、パイロット、そしてその他の航空会社従業員を含むこの業界の多くの労働者は職を失ったり給料が減ったりで将来がどうなるか不安を感じています。
  • ホテル業界  ホテルも新型コロナウイルス感染症の流行で観光客がゼロに減少したため困難に直面しているビジネスです。誰もが家に留まり外出を控えています。幾つかのホテルはそのポリシーを調整し医療従事者用に部屋を開放しています。一部のホテルでは従業員がお金を稼ぐために調理した食事をオンライン チャネルを通じて販売したり、オンライン プラットフォームを通じて清掃や家のメンテナンス サービスを提供したりすることを許可しています。これはビジネスを継続しその従業員をサポートすることに他なりません。いずれは新型コロナウイルス感染症の状況が緩和され観光が通常に戻りホテル業界が再び繁栄できることが期待されています。
  • 観光産業  新型コロナウイルス感染症のこの時期に人々が旅行をしたくないのは明らかです。彼らはほとんど日常的に社会的距離のルールを遵守し、必要な場合にのみ外出します。従って観光産業はこの感染拡大によって大きな影響を受けています。
  • 工業団地開発産業  新型コロナウイルス感染症危機により工場用地や工業所有権などの総売上高は減少しました。外国人起業家が現地に来て土地を調査したり現地でビジネスについて話し合ったりすることはできません。新型コロナウイルス感染症流行による経済不況で決断を先延ばししていた起業家らはこの危機が去った後、タイでの新工場設立やタイの工業用不動産の購入を再検討すると考えられています。
新型コロナウイルス危機下での勝ち組業界
我々は新型コロナウイルス感染症によるこの困難な時期にはあらゆる種類のビジネスが悪化していると考えているかもしれません。がしかし、驚くべきことにそんな状況においてでも売上高と顧客数を増やし素晴らしい業績をあげている企業も多々あります。 そんなビジネスには以下のものが含まれます。
  • フードデリバリー(食品宅配)業界  Grab Food、Lineman、Food Pandaやその他多くのフードデリバリー業にとって新型コロナウイルス感染症危機がチャンスに変わったことは明らかです。ほぼ全ての人々が食べ物の配達を注文します。多くのレストランは食品宅配サービスを利用してオンラインで食品を販売するスタイルに切り替えました。新型コロナウイルス感染症の流行が終息してもオンラインで食品を注文するという消費者の行動は新たな常態になると考えられています。
  • 宅配サービス業界  自主隔離中人々はオンラインで食品を注文するだけでなく、以前よりもオンラインで買い物をするようになりました。以前のようにショッピングモールに行くことはできませんがそれでも必需品である基本的なアメニティにはアクセスする必要があります。そのため、私たちはオンラインで買い物をしたり、Kerry Express、Flash Express、Lalamove 等の宅配サービスを利用しているのです。新型コロナウイルス感染症の発生初期にはこの業界における従業員不足が経営や運営に影響を及ぼし業務が遅延しているというニュースを耳にしました。その後より多くの従業員の雇用で状況は改善されました。人々は食べ物をオンラインで注文するのと同じようにオンラインでアメニティにアクセスすることに慣れてしまったようです。 新型コロナウイルス感染症が出現する前からオンラインショッピングは存在していましたがこの危機により消費者の行動の変化が加速しています。 これも新たな常態となる可能性があります。 
  • 生命保険業界  ほぼすべての生命保険会社がこの時期にぴったりの新型コロナウイルス感染症保険という新商品を発売しています。人々は病気になる事に対する恐れだけではなく回復に時間がかかることも恐れています。この時期の給料収入は減りますが医療費は高額になる可能性があります。この病気は急速に蔓延しており誰もが感染する可能性があります。新型コロナウイルス感染症保険に加入すると安心が得られる反面保険料は約数百バーツと高くありません。一部の保険会社は被保険者が新型コロナウイルス検査で陽性反応を示した場合数十万バーツの支払いを申し出ています。そのため多くの人がオンラインで保険を購入しあまりの人気でウェブサイトがダウンすることさえありました。
  • 工業団地開発産業  統計によると外国人起業家がその製造拠点を東南アジアに移す兆しがあります。米中貿易戦争だけでなく新型コロナウイルス感染症COVID-19の流行で中国が封鎖された事もその原因です。多くの起業家は製造拠点と資産を中国国外に移転することでリスクを軽減しました。これはタイの工業用不動産プロバイダーにとって絶好の機会であり、起業家は土地を購入して自社工場の建設に投資するか、直ぐに使用できる工場と不動産を借りるかを選択できます。
現在新型コロナウイルス感染症の危機を経験している全てのビジネスに幸運が味方していないことは確かです。それぞれの企業は自らを軌道修正し自社の強みを模索しながらこの状況に対処しなければなりません。イートインレストランはオンラインデリバリーに取って代わられました。ビュッフェレストランは業務のやり方を再考しなくてはなりません。例えば寿司バーは冷凍食材をオンラインで販売するようになりました。宅配サービス業者は人手不足による営業停止に直面しており臨時の宅配業者としてタクシー運転手を雇う必要が出てきました。観光業界もその戦略を転換し医療従事者向けの部屋を提供しているのです。

環境適応型ビジネスは今後も伸び続けるが環境適応不能型または非適応型のビジネスは淘汰されて行くでしょう。